さくらいの落書き

持たざるリーマンによる試行錯誤の記録 Have nots employer's challenging diary

W杯日本対ポーランド戦、後半10分の戦略について意見が割れまくっている件

先日のW杯ポーランド戦最後の10分で西野監督が採った戦略についてネット上で意見が分かれている。

僕は1観戦者として朝からブログを書きたくてたまらなかった。

残業のせいで叶わなかったが…


件のポーランド戦についてド素人目線から簡単に説明したい。

みんな知ってたら申し訳ない…とりあえず半端ないって言いたいんだ僕は。


日本中に溢れていた(ように感じた)試合前の押せ押せ感とは裏腹に、日本代表は苦戦を強いられていた。

良い場面もありつつ、ヒヤヒヤする場面の方が印象に強いまま、前半を引き分けで終えた後の後半13分、ポーランドのセットプレーにおける「後ろ向きのボールそのままシュートする」という半端ないプレーで先制されてしまう。
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あれは日本の絶対守護神川島を持ってしても、というか人間じゃ止められないシュートだった。

あんなんセーブとか出来ひん普通。

そこから日本は同点を目指して奮闘するも、ゴールが遠い。

僕は正直見ていてゴールできるイメージが湧かなかった。

勝ちに行くつもりで臨んだはずのポーランド戦、引き分け以上なら決勝トーナメント進出という、ほぼほぼいけるやろという状況から一転、日本代表に暗雲が立ち込めていた。

後半も半ばを過ぎた頃、同時進行で行われているセネガル対コロンビア戦に動きがあり、速報が流れる。

”コロンビア、1点先制したってよ。”

瞬間、トーナメント敗退が見えていた日本代表に一筋の光が刺した。

日本とセネガルは勝敗数、得失点差で並んでいるが、イエローカードの数が少ないチーム=フェアプレーポイントが高い=強いという新しいルールで日本の方が優位らしい。

このまま負けたら敗退から、負けても現状維持なら勝てるという状況に変わった。

しかし向こうの試合でセネガルが点をとって引き分けに持ち込まれたら負ける。

現状維持を選ぶか、失点のリスクを負って1点返しに行くか。

西野監督は現状維持という決断をし、後半残り時間とアディショナルタイムを加えた10分ほど、日本チームはひたすら自陣でパス回しをしていたのだ。

幸運なことに、ポーランド側は何点とっても敗退が決まっており、現状維持でも一勝という結果を残せるという事情から、日本のパス回しを傍観するという選択をした。

気の毒なのは観客である。

W杯で、10分間ひたすらパス回しをしている様を見せられたのだから。

最後の5分くらいはスタジアム中が轟音のようなブーイングに包まれていた…


結局セネガルは追加点を上げることが出来ず、日本の決勝トーナメント進出が決まったわけだが、世界のネット民は愚か、日本でもあれはないという声が湧いている。

一方、勝ちにこだわった末の選択であり、ルール上問題もなく、恥ずべきものでは無いという意見も日本では多く見られた。

かの有名な藤沢先生もこうツイートしている。


今回の戦術は結果として正しかったが、あのパス回しに批判的な意見を持つ人に対して、藤沢氏はじめ、西野監督の決断を支持する人達が、プロセスにこだわるやつは仕事出来ないだとか、ダメな奴扱いすることに関し、僕はそれは違うんじゃないかと感じている。


社会人になると過程よりも遥かに結果を求められるようになるため、とにかく結果にこだわるという考えが浸透してしまうのはわかる。

ただ、これはプロスポーツだ。
結果も大事だが、それと同じくらい、下手したらそれ以上に、そこに至るまでのプロセスに醍醐味があると思う。

そもそもW杯とは何なのか。

世界各国の代表を集めたサッカーの真剣勝負だ。

どの国も選りすぐりの選手で作ったチームで、勝ちにこだわり全力で勝負する。

その激闘によって生まれる熱狂、これこそが顧客=観客に提供する、求められているサービスではないだろうか。

チームが求めるのは勝利だが、顧客が求めているのはそこに至る過程のエンターテインメントなんだ。

だからチーム目線で見ていた人は結果にこだわった日本の選択は正しいと思うし、観客目線で見ていた人からすれば、4年に1度の大舞台に水を差されたと思うだろう。

これはどちらも正論だと思う。

僕個人は観客目線が強かったので、後味悪いなという気持ちの方が強かった。
マインドとしてはセネガルのシセ監督の言葉に共感している。

今回の日本戦で言えば、確かに勝ちにこだわる事も大切だが、あの後ポーランドに一矢報いるために全力で戦って、結果もし2対0で敗退したとしても、それはセネガルの方が決勝トーナメントに進むにふさわしいチームだったという事だと思うし、個人的には納得出来る。

今回のパス回しは、ボクシングで言えばポイントで勝ってるとわかった選手が、リング内で逃げ回ってるようなものだ。
ボクシングだとそれは減点対象になるのだが…

ただ、西野監督はじめ日本代表は結果を求められるいわばビジネスマンのような立場だ。

今回のような戦術を使ってでも勝ちにこだわった選択をするのは間違ってはいない。

しかし内心納得していない部分は大いにあると思う。

サッカー選手の、それも日本代表としてのプライドがあるはずだから。

今回の鬱憤を、めちゃくちゃ強いと聞くベルギー相手に思い切りぶつけて欲しい。


twitter芸人桜井は、日本のジャイアントキリングに期待し、肩書きよろしく手の平くるっくるに返すつもりで、侍ジャパンを応援しています。