さくらいの落書き

持たざるリーマンによる試行錯誤の記録 Have nots employer's challenging diary

自分を貫き続けるということ

人と違う事、変わった事に興味を持つと、時として他人からの誹謗中傷を受けることになる。

しかしそれが自分にとって有益であったり、大切だと思えるものであると信じ、周囲の雑音に負けずやり続けられることは才能であり、成功を収めるのに必要な要素なのだとどこかの自己啓発本で読んだような事を、実感する機会があった。


学生時代の非モテグループで集まった時のことだった。

その中でも特に外見性格共に難ありと思われるAは、昔からやたら政治経済について勉強していたり、受験直前期に突然文理転向して全然違う方向に進んだりと、周りから見ると不可解な行動が多い男だった。


政治経済の話が好きな女なんてほとんどいないし、お前そんなネタにばっかり精通してたら余計モテなくなるぞwなんてバカにされても、どこ吹く風で己の行動を改めることはなかった。

そして彼は変わり者でありながら、努力家でもあった。就活に失敗したものの、全く会っていなかった数年の間、休みの日は引きこもってXビデオゥズと向き合っていた俺とは対照的に、仕事をしながら資格勉強を続け、元々志望していたところに転職を決めていたのだ。

それでも元々の彼の印象は変わり者であり、仲間内は皆、お前どんだけそこ行きたかったんだよwと半分小馬鹿にしていた。皆が内心どう思っていたかはわからないが、俺はその時密かに尊敬の念を抱いた。俺が右手の熟練度を磨いている間に、彼は己の市場価値を磨いていたのだから。


随分前に集団で飲んだ時、泥酔した俺は勢いあまって恋愛工学の話をした時があった。

他のメンバーは否定的な意見を持ったり、引いていたりしている中、Aだけは「なんかそれ、経済の理論に似てて面白いな」と目を輝かせた。

やはり彼は変わり者であった。

その後俺は彼と帰りの電車で株と女について情報交換し、副業に興味を持っていることなどお互いの野望について話をし、盛り上がった。


そして先日、飲み会にて彼はある副業で月収二桁を達成したと話し始めた。他のメンバーがさっきまで、携帯ゲームにいくら課金をしたという話をしていたところだった。

ちなみに、課金厨の彼はエリートサラリーマンである。

大して興味を持っていない周囲を尻目にAは話を続け、現在月に100時間以上それに費やしており、今後は100万を目指すこと、スケールして自動的に稼げる方向を模索していると話した。

資本家側に回ろうとしている彼の話を、俺だけが真剣に聞いていた。

周りは、お前また変なことに力入れてるのか。休みの日まで働きたくねえわw俺は消費する側で良いや。稼げたらなんか奢ってくれ。などなど否定的な意見のオンパレード。

俺は少しAを擁護したが、皆の意見が変わることはなく、Aはその話を止め会はお開きになった。


もし、俺がtwitterを始めず全く世の中の事を学ぼうとしないイチサラリーマンとして過ごしていたら、おそらくAを否定していたと思う。

彼の努力、将来の展望に目を向けることもなく普通と違う事をやっている、その一点で。

そうであったとしてもAは、自分の考えを曲げずに自分の金と時間を注ぎ込んで事業を拡大していっただろうが。

ただ消費する側が悪いわけではないし、携帯ゲームに課金する友人を否定するつもりはない。彼は本業が立派だし彼なりの事情もある。

しかし将来、Aが周囲の雑音に負けず行動し続けたなら、二人の間にはとんでもない差ができるだろう。


ただの変わり者なだけでは、嫌われる勇気!と吼えたところで嫌われ者のイタい奴で終わってしまう。

そこに圧倒的行動力が加わる事で突き抜けることが出来るのだ。

彼には夢を実現して欲しいし、俺も彼を見習って男としてスケールアップしていこうと決意すると共に、別れ際俺は言った。



ひと段落ついたら、一緒に筋トレしようぜ。