さくらいの非モテな冒険 第1話 「アポれさくらい」
さくらいは絶望した。必ず己の中の非モテ魂を除かなければならぬと決意した。
さくらいには恋愛がわからぬ。さくらいは非モテの童帝である。
右手を使い、股間の竿と遊んで暮らしてきた。
けれども、リア充というものに人一倍渇望していた。
さくらい2⚪︎歳春
己の非モテぶりに無限の可能性を感じ、悩みに悩み抜いた結果さくらいがたどり着いたさきは、合コンへの参加であった。
いきなり合コン開ける時点で恵まれてんじゃねえかクソが!と、男祭りで非モテ界の王達から聞こえてきそうだ。
その通りだ。すぐに合コンに参加できるようなやつは恵まれているし、20代で童帝やってる方がおかしい。
そう。恵まれない俺は、会社に来る保⚪︎屋のお姉さんと悪魔の契約を交わし、なんとかセッティングしてもらったのである。
合コンにて、キョドりながらクソ盛り上がらないトークを続けた結果、狙っていた子は惨敗。
LINEの1通目すら返ってこない。
しかし何も得られずには終われない。
後日、既に悪魔に魂を売っていた俺は、裏取引によって知りえた情報から、合コンにて特に俺に対しての印象がない、というか全然話していないので、俺が童帝キョードルであることを知らない、第二候補の連絡先をゲットした。
その後蜘蛛の糸のように途切れそうなラインを何とか続け、ついに俺は初デートのアポをとったのである!
これは普通の男達にとっては何の感慨もない一歩であるが、無冠の童帝であったさくらいにとって、大きな一歩であった。
しかし早速アポの指定場所をミスってしまう・・・
お互いの住んでる場所を考慮して丁度中間地点が良いだろうなどと、余計な気を回した俺は、一度も行ったことのない駅を指定してしまったのだ。
Googleマップで道順は確認していたはずだった…
がしかし迷う!(駅で見つけた地図が何故か南北逆だった)
キョドる!
そしてピヨる!
女の子が気を使って街の地図を探し出してくれ、なんとか初めてきた街の初めて入るイタリアンに入店。
さあ、ゲームの始まりだ
(もう終わってる)
たまたま珍しく、俺の趣味に女の子が興味を持っており軽く盛り上がったものの、帰り道決定打を放ってしまう。
俺は気づいていたのだ。店にいる時から。
でも言い出せなかった。
女の子の口が、トマトソースでやたら赤いということを。
伝えるべきか伝えないべきか迷ってしまったんだ。
鼻毛が出てるとか青海苔付いてるとか、そういう類の厄介なパターンだったから…
でも流石に、電車の中までこのままではまずいんじゃないか?
そう思った俺は帰り道の道半ばまで来て、ようやくそれを指摘した。
「口元拭いた方がいいかもしれない…」
それを聞いてティッシュで口元を拭った女の子が一言
「うわー、もう最悪」
その瞬間、最悪の思い出を作ってしまった感が、街に溢れる。
その後話をするのに必死で改札を間違えそうになったり、こいつどうしようもねえなって顔をされながら、もうてんやわんやで俺の初デートは終了した。
デート後その子からもらった「最後」のラインが
「今日はありがとうございました!!」
だったという事だけは脳裏に焼き付いて忘れられない。
ビックリマーク2個なのに、次につながる予感あったのにさ(本気で思ってた)・・・
次回アポの誘い、既読ついたのさらさ
普通に次もあると思うだろ?
ウソみたいだろ。
(その子の連絡先)死んでるんだぜ。それで…
童貞さくらい
初デートの結果
衝撃のファーストブロック!!
しかしこの敗戦があったからこそ、デートにおける段取りの大切さやら何やらを知り、現状のエスコート力のダメさを知り、これは経験を積まなければ、俺の非モテ王への道は堅いと悟れたんですよね。
だから俺は、常々非モテ仲間に言ってます。
とにかく、アリだと思ったらアポれと。
ダメ元でとか、ワンチャンあるかもとか、そういうの以前に、自分のショボさを経験として知っとけよと思うので。
正直な話、失敗経験を積めただけでもありがたい方なんですよ。
合コン時点でナシ判定されてアポにすらこぎつけないことだっていくらでもありますから。
男側の恋愛は、いかに失敗から学んで次に活かすかだと思います。
まずはモテるとか、楽しませるトークとか以前に、二回目アポれるくらいの基礎力をつけるとこからです。
非モテあがりの男達は。
今回の記事がまだデートすらしたことない。
合コン何それ?美味しいの?な方にとって、何らかのアクションを起こすきっかけになってくれたら、幸いです。
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