引っ越しを安く済ませるための方法「賃貸契約時の交渉編」
引っ越し編第2弾です。前回引っ越し費用を安く済ませるための方法「家探し編」 - さくらいの落書きに続き、今回は物件を決めいざ仲介業者と契約するタイミングでの交渉について語っていきます。
正直、メンタルがそれなりに強い人でないと実践できなさそうなものもありますが、数万〜場合によっては十数万変わってくる話ですので、頑張ってください。
以下大きく分けて4つあります。
1.家賃の値切り交渉
大学等の入学や新卒入社などによる、2〜3月の主要な引っ越しシーズン以外の時期であれば、空き物件というのはすぐ埋まるものではありません。
そもそも引っ越しする人が少ないからです。
そんなわけで、大家は空き部屋を早く埋めたいし、仲介業者としても閑散期ですし取れそうな契約は確実に取りたいと思っています。
空き部屋の入居にこぎつけられるのであれば、多少家賃交渉しても受け入れてくれる可能性は十分にあります。
また交渉したからと言って入居出来ないなんてことはまず無いので、むしろ交渉はして損なことは全くありません。
肝心のタイミングですが、いくつか物件を回った上で良いなと思う物件があったら、シレッと「家賃あと3000円下げられないですかね。そしたらここに決めます」といった感じで業者さんに伝えましょう。
ただし、本当に契約の意思がある時にだけ使うように。
仲介業者は何とか契約を取りたいはずですから、大家に交渉してくれるでしょう。
ただ3000円はぶっちゃけ難しい額だと思います。
なぜ厳しめな3000円で伝えるかと言うと、ドアインザフェイスという交渉術の1つを用いるからです。
これは無理目なお願いを初めにして、最終的な妥協点を自分にある程度有利なところに持ってくるというものです。
例えば1000円で交渉してしまうと、すぐ通る可能性ももちろんありますが、それ以上になることはありません。
しかし3000円と伝えれば最高3000円、悪くとも1000円になります。
なぜなら3000円は無理でもせめてこれくらいは安くしないと、というプレッシャーが営業マンには伝わるからです。
そして3000円というラインは都内でそれほど家賃の高くない地域だと、実現可能なギリギリのラインでしょう。
(目安として家賃の5〜6%程度)
ここで1万円とか言ってしまうと無理すぎて交渉して貰えない可能性が出てくるので、攻めても4000円くらいの交渉が良いと思います。
ここで3000円安くしてくれたら、仲介業者さんは結構頑張ってくれたと感謝していいと思います。
年間36000円も浮きますからね。
2.仲介手数料の交渉
ここからは知る人ぞ知る不動産業界の闇に切り込んでいきます。
物件を探しているとよく目にするのが、仲介手数料1.08ヶ月分という表記です。
さも当たり前のようにどこの物件もそう書いているので、仲介手数料の相場は1ヶ月分なんだろうなと、何も知らない一般人は思い込んでしまっていることでしょう。
結論から伝えます。
借主が払う仲介手数料は、原則家賃の半月分(税込0.54ヶ月分)が上限と国土交通省の告示により定めらています。
信じられない人は国土交通省 仲介手数料 告示でググって下さい。条文を始め、この事実を謳うサイトなんかがいっぱい出てきますから。
じゃあ何故1ヶ月分と表記されているのか。
そもそも仲介業者が受け取れる手数料は、大家から半月分、借主から半月分の合わせて1ヶ月分が上限と定められています。
しかし特別に借主から承諾があった場合は、借主から1ヶ月分貰っていいことになっているのです。
そう、何も知らない僕達借主は知らぬ間に特別な承諾をさせられて、大家の分まで払わされているのです。
本当は特別に承諾を受けなきゃいけない訳ですから、きちんと説明すべきなのですが、告示で示されている大原則を説明してくれる仲介業者はまずいません。
腹立ちますねw
それとなぜ大家から貰わないのかというと、ここはさらにグレーな話で、大家からは仲介の報酬としてではなく、広告料という名目で手数料を取っているからです。
だから借主から1ヶ月分取っても告示の上限は超えてません、というカラクリです。
しかしそんな内情は僕らには関係ありません。
ここはしっかり伝えるべきです。
国土交通省の告示に定められているとおり、仲介手数料は上限いっぱいの半月分にして貰っていいですか?と。
肝心の伝えるタイミングですが、これが凄く重要なので頭に刻んで下さい。
タイミングは契約書にサインをする時です。
一応契約の流れを簡単に説明しておきますが、一般的には内見→入居申し込み→大家等による入居審査→契約書にサインして正式に契約、となります。
なぜこのタイミングかと言うと、最初から仲介手数料の原則の話をすると、やる気を無くしてクソ物件しか紹介しなくなる、という業者がいるからです。
なので、仲介手数料の話は内見のアポ取りの時はもちろん、内見中も、物件の入居審査の段階でも一言も言わないことです。
特に入居審査に関しては落ちた場合に、その理由を伝えてもらえないので、仲介手数料を理由に仲介業者にもみ消された、ということが有り得なくもないのです。
だからこそ、ギリギリまで引っ張って、いざ契約のタイミングで伝えるのです。
このタイミングで往生際悪く1ヶ月分払えと粘る業者は少ないはずです。
契約書にサインする際は宅地建物取引士の資格を持った社員が、契約の詳細について説明しますから、仲介手数料の原則など百も承知なのです。
そしてここまで手間をかけて契約まで漕ぎ着けた訳ですから、仲介手数料半分になってでも契約を取った方が、向こうとしても得なはずですしね。
もしごねてきたら、こちらも頑として認めなければ良いだけです。
告示に書いてあることですから、正義はこちらにあります。負ける要素がありません。
つか半月分て上限いっぱい払ってますからね…
揉めないよう、この事実を伝える時はしっかり覇気を出して伝えましょう。
この時万が一向こうが仲介しないと言ってきたら、確実に言質を取ってください。
仲介業務を放棄するということでいいですか?と。
仲介業者と管理会社が関連会社同士のような、互いに繋がってるパターンでなければ、管理会社もしくは大家の連絡先を伺い、仲介業者が仲介業を放棄したこと、こちらには契約の意思があることを彼らに伝えれば、入居審査を通している大家側としては契約して問題ないはずなので、晴れて交渉成立となります。
もしくは近場の仲介業者に行って、もう入居審査まで通ってるので、とりあえず仲介手数料半月分で仲介してもらっていいですか?そこの不動産屋に仲介業務放棄されちゃったので、と伝えれば終了です。
近場の業者からすれば、何もしてないのに1個契約取れちゃうんですから、了承しないはずがないです。
ここで大事なのは、向こうに放棄させることです。
自分から放棄を申し出て仲介業者を通さずに直接大家と契約するのは、不動産業界のタブーとされる行為のようなので、万が一ここまで拗れた場合は慎重に行動してください。
ここまで行くパターンはほぼ無いと思いますが。
仲介手数料については、純粋に仲介業者の儲けになる部分です。
もし家賃交渉の時に営業マンが頑張ってくれて、例えば月3000円安くして貰えたなら、場合によっては仲介手数料は一月分払ってあげるのもアリかな?と個人的には思います。仲介手数料の額にもよるとは思いますが。
そこに関しては契約者である皆さんの判断によるところです。
3.各種オプションについて
仲介手数料と同じく、契約の段階で交渉するのがこちら各種オプション関係の話です。
仲介手数料の大原則の話を⬆でしましたが、最近は大手のエイブ〇やアパ〇ンショップなんかが、仲介手数料半月分で契約します!を謳い文句に宣伝をしています。
一言言わせて欲しい。
それ法律上の上限いっぱい、当たり前の話やろがい!!
で、彼らのビジネスのカラクリなんですが、やたらと付属オプションを付けて金を毟っていくんです。
例えば抗菌施行料だとか、消毒料だとか、消火用の変な道具だとか、24時間サポートなるサービスだとかですね。
こいつら全部ひっくるめると家賃半月分以上になります。
ここで稼ぐわけですね。
ちなみにどれも原価1000円以下でガツンと手数料乗せてそれぞれ1万〜2万ほど毟られるんですが、基本的に全部なしにできます!!
余計なオプションは契約の際に、これ外して貰っていいですか?と伝えましょう。
害虫駆除とか言いますが、内見の時害虫わんさか出てきましたか??
その時、まだ消毒も抗菌施行もしてませんよ?
つまりやらなくてもハウスクリーニングで綺麗にしてるから問題ないということです。
理由聞いたらカビ予防だ害虫予防だと言うかもしれませんが、やったところで効果は2,3ヶ月ですから、梅雨のシーズンに除湿しなきゃオプションつけようがつけまいが等しくカビると思います。
結論全部いらない。
どうしても害虫対策したい人は引っ越し前にバルサン炊くなり、ゴキブリホイホ〇、ホウ酸ダンゴで退治しましょう。
正直田舎の山の中にあるアパートならまだしも、都内だとそんなにゴキブリ出ないですけどね…あいつらは元々野生の生き物ですから。
僕が物件探しをしてる時に見つけたんですが、某エイブ〇の物件でこれらのオプションを必須にしている物件がありました。
これは有り得ん話です。
なぜなら、消毒料やら抗菌施行やらの原状回復を超える内容に関しては原則貸主負担だからです。
つまり必須にするなら貸主に請求がいくべき内容です。
こちらに明記されてますので参考までに
住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)のダウンロード - 国土交通省
それと24時間サポートみたいなサービスについてですが、1番出番があるのは鍵の紛失時だと思います。
しかし調べればわかりますが、鍵の紛失対応ってわざわざそんなサービス入らなくても、24時間対応してくれる業者あります。
このサポートサービスに入っていても、例えば新しい鍵を作る費用だとかは実費だったりするので、内容をよく確認して入るか検討しましょう。
さらにこれもあまり知られていない事実ですが、国土交通省のガイドラインにて鍵の交換費用は原則大家持ちと示されています。
ただ、義務ではないので実費払ってまでやりませんという大家がほとんどでしょうから、結局借主が自費負担でやる、みたいな流れになってしまってます。
そこに乗っかる形で鍵交換費用を請求される訳ですが、これについては、新品の鍵に交換するのかどうかしっかり言質を取りましょう。
不動産あるあるなのが、金は取るけど実際やらない、というパターンなので。
鍵交換については新品に交換する以外に交換自体実はやってない、もしくは予備の鍵をローテ、という2つのパターンがあります。
鍵ローテなら費用が作業料金だけになり、かなり安く抑えられるはずなので、交渉の場で減額になる場合もあります。
大体が新品に交換する場合の費用を請求してますから。
なので、新品に交換するのかどうか、しっかり言質を取りましょう。
ちなみに新品かどうかは鍵自体と、鍵を刺すシリンダーという部分を見ればわかります。
そこが隣の部屋と違ってピカピカなら新品に交換してますし、同じようにくすんだ色をしてれば中古品です。
新品じゃなかったら即行連絡して返金してもらいましょう。
4.火災保険について
契約にセットで必ずついてくる火災保険ですが、仲介業者が提示する相場は安くとも2年で16000円、高いと2万以上といったところでしょうか。
これも実は自分で契約先を選べます。
僕のオススメは都内なら都民共済https://www.tomin-kyosai.or.jp/sp/product/fire/、他の地域ならその県の県民共済です。
木造アパートでも十分に保証を付けて、1Kなら2年で1万円ほどで契約できます。
耐火造(3階以上の建物なら大体該当)のマンションならもっと安く契約できます。
以前仲介業者が提示してきた保険の内容を確認したら、正直過剰すぎるレベルでした。
賠償額1億とか、アパート土地付きで建つレベルじゃねえかと。
そもそも火事を起こした際に借主の僕達に支払い義務が生じるのは、借りている部屋の原状回復です。
20㎡前後の1Kなら、1000万円あれば十分過ぎるレベルです。築年数経ってるなら500万で上等です。
火災保険は資料請求等に時間がかかるので、概算を出された時点で断っておくか、予め資料請求しておいて、いつでも申し込める準備をしておくといいと思います。
くれぐれもこのタイミングで仲介手数料については触れないようにしましょう。
やつに関しては契約の時、初めて目について気付いた、という体でないといけないのでw
以上で今回は終了となります。
おいおいマジかよ…って内容が盛りだくさんだったと思います。
心配な人は、告示やガイドラインをしっかり確認して、このブログが嘘を言っていないことを確認してから交渉に臨んでください。
僕は今回の引っ越しで色々学ぶ中で、世の中ってのは本当に知らない人がどんどん金を毟られるように出来てるんだなぁと痛感しました。
面倒臭いのは確かですが、この交渉で削れる金額を庶民が稼ごうと思ったら一体どれだけ働かなきゃいけないのかを考えれば、覇気出せると思います。
頑張っていきましょう。
参考までに、最近の仲介手数料に関する裁判の内容が載っているサイトを掲載しときます。賃貸業界に激震!「仲介手数料が0.5ヶ月分」になる可能性!? | 不動産投資を考えるメディア