サラリーマンの出世は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まる
最近話題のふろむだ氏著『人生は、運よりも実力よりも、「勘違いさせる力」で決まっている』を読みました。
この本は、努力とそれに伴う実力が結果に反映されやすい学生よりも、理不尽の連続である社会人にこそ刺さる内容になっています。
特にサラリーマンは必読だと感じたので、題名がこんな感じになりました(笑)
本書のキーワードである「錯覚資産」ですが、有名人やブランドなどが履いている"下駄"の存在を言語化したものです。
ある程度の地位にある人は、みんなこれによって実力以上に評価されていると言っても過言ではありません。
Twitterで言うと、フォロワーを買ったり、bioに輝かしい経歴や月収ウン百万と載せたりする手法なんかが、錯覚資産を利用しようとしているものです。
この人は有益な情報を流していると思い込ませることで、下駄を履くわけです。
他には、イケメンや美人は受け答えが雑でも、ブサメンや不美人より面接で高評価になってしまうという現象もそうです。
外見が良い=優秀と脳が錯覚してしまうことにより起こってしまうらしいのです。
また、仕事しない、できないけど上司へのゴマすりだけ上手な係長のような、「なんでコイツがこの役職に!?」と思わざるをえない現象などもそうです。
これについては下で改めて書きますが、これらのように日常で割とあるモヤモヤする事柄について、錯覚資産というワードを使うことで、スっと頭に入るように説明されています。
ちょっと自分語りをさせてください。
僕の父親は元々サラリーマンだったんですが現在は自営業をしており、僕が高校生くらいの頃に「サラリーマンなんかやってても一生うだつが上がらない。ゴマすりが全ての世界だから、媚びるのが苦手なやつには向いてないぞ。」と言っていました。
僕は父親を全然リスペクトしてなかったので、「いやいやw実力でしょ。お前の会社みたいなとこ入らないから関係ねえわw」って返してサラリーマンになったんですが、今になって思うんですよね。
親父の言ってたこと、寸分違わず正解だったわ…って(笑)
そもそも会社の仕事って、この人じゃなきゃ務まらない!って仕事なんてほとんど無くて、いくらでも代わりがきくものばかりです。
そうなると、上の人間は仕事が出来る嫌いなやつより、そんなに出来る訳じゃないけど好きなやつを昇進させたくなるというわけです。
だから、ゴマすりがいかに重要かという話になる。
僕は先日までそう思っていました。
しかし、この本によるとそういった意図的な評価とは別に、公平に評価しているつもりの人でも、実は好き嫌いによるバイアスで偏った評価をしてしまっているというのです。
これが事実だとすると、サラリーマンの出世はホント、実力よりもいかに上司に好かれるかのゲームだとしか思えなくなりますね…
上に上がるにつれて自分の裁量も責任も増えていくので、実力は全く関係ないとは言いませんが、そこそこの地位までは完全に媚ゲーじゃないかと、一周回って感心してしまいました。
サラリーマンを続けるつもりの方は、今後錯覚資産の存在を踏まえての処世術を検討した方が、絶対いいです(笑)
他にも色々な事例によって、世の中の評価は運、実力、錯覚資産で出来ていると紹介されています。
本の帯には錯覚資産が全てのように書いてありますが、サラリーマンは別としてw、自分一人で何か事を成すには、まずある程度の実力がなければ錯覚資産を作れないなと、僕は読んでいて思いました。
ただ、スキルを磨いていくことに加えて、いかに他者に評価して貰えるように振る舞うか、という視点を持つことも非常に大切だとも感じています。
本書の最後の方に大枠ではありますが、錯覚資産の増やし方についての記述もあるので、サラリーマンはもちろん、今後ネットで一旗上げたい人なども参考になる内容だと思います。
気になった方は手に取ってみてはどうでしょうか。
人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている