報われない非モテコミット〜Onemoretime Onemorechance〜
非モテコミット(モテないやつが、この人しかいないと執着し、周りが見えなくなってしまうこと)は悪だ。
それは俺含め多くの男が経験しているし、絶対にやってはいけないと心に決めていた。
しかし、時にそんな誓いなど吹っ飛んでしまうくらいに、衝撃的な出会いはある。
君に初めて会ったのはいつだったか。確か、秋頃だったように思う。
どこの街だったかが思い出せない。第一印象が刺激的なわけではなかったから。
ただ、そこが世界最先端の某店だったことは確かだ。
赤に黄色のあのロゴマークは忘れようがない。
あの日君の存在に気付きながら、俺が指名したのは別の子だった。
でも、すぐそれを後悔した。あの子とは全く合わなかったんだ。
それは俺が求めていたのとは、ほど遠いものだった。
それから幾日か経って来店した時に、俺は初めて君を指名した。
正直に言って、衝撃を受けたよ。今までにない感覚だった。
この世界にはまだ、こんな素敵な出会いがあるものなのかと。
それ以降、俺は足繁く店に通って君を指名し、素敵な時間を過ごした。
あの時の俺は君に非モテフルコミットしていたんだ。
僕愛の渡辺君もビックリするくらいにね。
- 作者: 藤沢数希
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君が好き。僕が生きる上でこれ以上の意味はなくたって良い。
それくらいの思い込みと共に情熱を注ぎ込んでいた数ヶ月だった・・・
しかし
ある日から、君が指名の多さゆえに早めの退勤をし始めるようになった。
仕方なく新人の子を指名したんだけど、まるで満足できない。
せっかく来たのに君に会えないなんて
僕はやだよ!君がいいよ!離れたくなーいなっ!!
それから、多忙故に店に顔を出せないまま数週間が過ぎ、ついに君の名前が名簿から消えてしまった。
それ以来、腹の寂しさを紛らすだけなら誰でもいいはずだ、という気持ちで来店し、掃き溜めのような生活を続けている。
星の落ちそうな夜には、自分を偽れないのだけど。
秋の思い出が回る
ふいに消えた名前
いつでも探しているよどっかに君の破片を
旅先の店、広告の隅、こんなとこにあるはずもないのに
企画が繰り返すならば何度も君の元へ
奇跡がもしも起こるなら今すぐ君を食べたい
できないことはもう何もない
全てかけて噛みしめてみせるよ
ハムタス!!!
ワープア散策師さくらいは、日本マクダーナルッ!を応援しています。